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「他の人と差をつけたい!」と考える大学生や社会人に人気なのが海外大学院への留学です。
ここでは、学問を極め、実践的で高いスキルを身につけることができる【海外大学院の進学】について、わかりやすく解説します!
海外の大学院の基礎知識
日本では特別なように感じる「大学院への進学」。
しかし、海外では大学へ進学した多くの学生が、より知識を身につけるために大学院へ進みます。
まずは海外の大学院の基礎知識をみていきましょう。
なぜ大学院に入るのか
日本では、「大学院=学者や教授になる」と考えている人が多いですが、海外では
- 学士号=専門分野の教養がある
- 修士号=専門分野のスペシャリスト
と考えられています。
また、大学院を卒業して社会に出ると、
- 大学卒業者よりも収入が高い
- 出世が早い
などのアドバンテージがあります。
そのため、社会人がキャリアアップを目指すために、大学院へ入るケースが大変多いのが特徴です。
アメリカを例で見ると、大学院生の平均年齢がなんと33歳!
学生全体の22%が40歳以上、14%が40歳〜50歳、そして8%が50歳以上です。
大学院で学ぶことにより、学生は学んだことの知識をさらに深めスペシャリストとして活躍でき、社会人は今まで身につけてきたスキルを学位として証明し、キャリアアップを目指すことができるのです。
大学院の種類
大学院の種類は大きく分けて「2つ」あります。
グラジュエイトスクール(Graduate school/Graduate School of Arts & Sciences)
社会学、経済学、文学、哲学などのアカデミックな分野の研究を行います。
日本の「大学院=学者や教授になる」に近いイメージです。
プロフェッショナルスクール(Professional school)
日本でも知られているMBA(Master of Business Administration:経営大学院)をはじめ、ロースクール(Law school:法科大学院)、医学、教育学など、スペシャリストの養成を行っています。
大学院に入るほとんどの社会人が、このプロフェッショナルスクールで学んでいます。
大学院で取得できる学位
大学院で取得できる学位はマスターディグリー(Master’s degree)と呼ばれ、日本の「修士号」にあたります。
国によって異なりますが、ここでは大学院で取れる代表的な学位をみていきましょう。
- Master of Arts (MA):文学修士号
- Master of Science (MS、イギリスではMSc):理学修士号
修了期間
アメリカ、カナダの場合は2年間で、基本的に9月が入学時期、6月が卒業時期になります。
長期休暇(春、夏、冬休み)があるため、実際に講義があるのは2年間でトータル19カ月ほどです。
イギリスは1年間で、入学と卒業のタイミングが9月です。
長期休暇がないため、12カ月間をフルに使った修了期間を設けています。
大学院の年間授業料
大学院によって費用は異なりますが、ここでは国別に平均の年間授業料をご紹介します。
年間授業料の例
- アメリカ:約550万円
- カナダ:約400万円
- オーストラリア:約300万円
- イギリス:約500万円
- マレーシア:約100万円
出願書類
アメリカの大学院を例に、出願時に提出する必要書類をチェックしてみましょう!
- 推薦状*(最低3通)
- 英文のエッセイ
- 大学の成績証明書 (Grade Point Average/GPA**換算のもの)
- TOEFLのスコア
- 大学院用共通テスト(Graduate Record Examination/GRE***)のスコア
そのほかにも専門分野によっては、必要書類が追加される場合があります。
*推薦状:審査にもっとも重要な書類になるので、学生であればゼミの担当教師や学部長など、社会人であれば大学時代の恩師や会社の上司など、人選が非常に大切です。
**Grade Point Average/GPA:アメリカの大学や高校で使用されている成績評価指標で、日本でも採用している大学が増えています。
***Graduate Record Examination/GRE:アメリカやカナダの大学院に進学する際に受ける共通試験で、論文(Analytical Writing)、英語(Verbal Reasoning)、数学(Quantitative Reasoning)の3つの項目があります。
海外大学院進学のメリット・デメリット
海外の大学院に興味を持っている人に、ぜひ知っていただきたいメリットとデメリット。
メリットはもちろんのこと、事前に知っておくことで、デメリット対策ができます。
メリット
世界中にネットワークができる
外国人留学生を多く受け入れている海外の大学院。
同じ専門分野を学ぶために集まった学生たちと、毎日授業を受けることで、学生同士の絆が強まります。
また、世界中からやってくる一流の教授に出会うことができるので、インターンシップや正規雇用から他の大学の研究所などの情報が得やすいのも大学院進学のメリットです。
就職に有利
30歳以下の大学院進学率は、日本では約7.5%なのに対し、海外では次のとおりです。
- オーストラリア約30%
- イギリス 約25.7%
- アメリカ 約9%
このように、海外で大学院への進学率が高いのは、マスターディグリーを取ると就職時の待遇(給料・ポジション)が大変良いためです。
就労ビザの取得が難しいとされるアメリカでも、マスターディグリーを取得していれば簡単に審査が通ります。
その理由は、マスターディグリーは「スペシャリスト」として社会的に認知されているためです。
修士号のアドバンテージを踏まえると、社会人になってから大学院へ入り直す人が多いのもうなずけます。
論理的思考力が身につく
海外大学院では、論述テストやレポート提出で成績の評価がつけられます。
そのため、課題をこなしていけばいくほど、論理的に物事を考えてまとめる力がついていきます。
相手を納得させるため、自分の考えを論理的に主張するテクニックをしっかり身につけることは、英語力の証明にもなります。
デメリット
卒業が大変
海外の学校は、入るのは簡単で出るのは難しいという現実です。
海外大学の進学でも言われることですが、特に大学院の場合、1年〜2年と修了期間が短い上に、
- 自分の専門分野の研究
- 論述テスト
- 課題レポート
- 講義(+予習・復習)
専門分野によってはグループで行うプロジェクトもあるため、その打ち合わせなどもこなさなければなず、とてもハードな日程をこなせなければなりません。
もちろん、専門分野によって異なりますが、在学中は勉強に専念できるような環境作りを心がけなければなりません。
このような努力をして取得する「マスターディグリー」だからこそ価値があり、世界で「スペシャリスト」として認められるのです。
日本の就活の波に乗り遅れる
日本と海外の大学の入学・卒業のタイミングが違うため、日本で就職を目指す場合「新卒枠」から外れてしまいます。
そのため「大学卒業者」もしくは「留学生枠」で就活をしなければなりません。
まとめ
この記事では、海外の大学院に進学したいと考える大学生・社会人のために、
- 海外の大学院の基礎知識
- 海外大学院進学のメリット・デメリット
をご紹介しました。
海外の大学院へ進学することは、ある程度の覚悟が必要ですが、「バチェラーディグリー」を取得している学生が当たり前になりつつある今だからこそ、価値があると言えるでしょう。
また、普通の留学では出会うことができないような、専門分野に置ける世界の一流の人材とコネクションを作ることができるのも、社会人になってから大学院に入る人が多い理由と言えます。
ぜひこの記事を参考になさってください!
特に初めての方や、留学で失敗したくないという方は、一度留学エージェントに相談してみましょう。
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参考サイト
- アメリカの大学院生の年齢に関する記事:graduateguide.com
- 国別の大学院の学費情報:mastersportal.com
- 大学院進学率:stats.oecd.org