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学習方法、講義のスタイル、成績の評価方法が日本とは異なる海外大学。
正規留学生として進学する場合、各国のシステムに沿って「単位」を取っていかなければなりません。
この記事では、みなさんの留学が成功することを願い、海外大学の単位システムと単位を落とさないための学習方法をご紹介します!
海外大学の単位
「単位」は英語で「アカデミッククレジット(academic credit)」もしくは単に「クレジット(credit)」といいます。
単位は、大学で学位を取得するために必ず取らなければならず、学生の勉強への意欲や努力、その結果を評価するためのシステムです。
海外大学を卒業するには、かなりの勉強量が必要になります。
できるだけ、無駄な努力を避けるためにも、実際に大学に進学する前に、単位のシステムを理解しておいたほうがよいでしょう。
単位システム
海外大学では、次のシステムが一般的です。
- ECTS(European Credit Transfer and Accumulation System):日本語では「ヨーロッパ単位認定システム」と言われている、ヨーロッパ各国の大学で共通に用いられる単位システム
- SCH(semester credit hour):日本語では「学期単位」言われる、アメリカの単位システム
評価形式
学位を得るために必要な単位は、実際にどのよう評価されるのでしょうか?
基本的に次の項目の評価を基準に、単位を取れるかが決まります。
- 授業の出席率:ただ出席するだけではなく、授業中の発言頻度や積極性が見られる
- 授業中に行われる小テストの結果
- 課題レポート内容
- プロジェクト・研究の作業:積極的な参加が求められる
- 口頭・筆記による中間・期末試験の結果
国別のシステム
ここでは、アメリカ、オーストラリア、イギリスの3カ国の一般的な単位システムをご紹介します。
もちろん、大学や専攻コースによって異なるので、希望校の単位システムはしっかりチェックしましょう!
アメリカ
アメリカの大学では、「1時間の講義+2時間の準備=1単位」に基づく単位システム「SCH」を採用しています。
学年を上がるために必要な一般的な単位数は次の通りです。
- 1年生(Freshman) 29単位
- 2年生(Sophomore) 30単位
- 3年生(Junior) 29単位
- 4年生(Senior) 30単位以上
例えば、セメスター制(二学期制)の大学の場合、
15時間の講義+30時間の予習を含む講義の準備=450時間の学習
で、各学期に15単位を取得できる計算になるので、この学習時間をキープできれば、4年間で卒業することができます。
オーストラリア
オーストラリアの大学では、共通の単位システムはありません。
そのため、大学・専攻コースによって、独自の単位システムが採用されているのです。
他の大学へ編入する場合は、オーストラリア資格フレームワーク(Australian Qualifications Framework、AQF)というオーストラリアの教育水準認定機関によって、単位交換の審査が行われます。
イギリス
イギリスはヨーロッパの単位認定システム(ECTS)に加盟しています。
そのため、同じヨーロッパの加盟国内の大学に簡単に編入できます。
ECTSの単位を取得するための学習時間は次の通りです。
1単位=25〜30時間(講義+準備)3年間で学士を取得するには、年間で60単位を取る必要があります。
海外大学で単位を落とさない方法
海外大学で単位を落とさないためには、「勉強方法」を知ることです。
学位取得の目標を実現するために、次のポイントをしっかり抑えましょう。
日本にいる間にするべきこと
自分の意見を言えるようにする
自分の意見を持ち、他者に論理的に伝えることは、海外で生活する上で必要不可欠です。
渡航する前に、日常生活の中で「自分の意見をもつ」習慣を身につけておきましょう。
海外大学の授業は、日本とは違い、ディスカッションを中心に行われていきます。
授業内で発言をしなければ、出席をしていても成績評価の対象にならないのです。
そのため、専門コースだけでなく、歴史、政治、経済などをテーマに自分の意見を言えるように準備しておきましょう。
英語力をつける
海外の大学では、「授業を受ける」「話し合う」「課外レポートを書く」は、全て英語でおこないます。
大学に入ると、単位を取る勉強で忙しくなり、英語の勉強をする時間はありません。
そのため、日本にいる間に、できるだけ英語力をつける準備をしましょう。
出願条件に必要な英語能力試験のスコアをとるだけでなく、英会話や国際交流会などを利用して外国人とコミュニケーションを取ることに慣れておきましょう。
海外の大学でするべきこと
予習・復習をする
海外の大学の授業は「予習」と「復習」が必要です。
一般的に新学期の最初の週は、各科目を担当している教員から次のようなオリエンテーションがあります。
- 学期中に行う授業内容
- 課題レポート対策
- 試験方法
この他にも、期間中に読むべき本なども指定されます。
このオリエンテーションにより、予習対策ができるのです。
また、授業後は必ず復習もしましょう。
自分が書いたノートを読み返したり、録音OKな授業であれば、帰宅後に講義を聞き直すと理解度が上がります。
積極的に質問する
授業や課題でわからないところがあれば、必ず教員に質問しましょう。
授業中に質問するのが理想的ですが、授業が終わった直後でも大丈夫です。
「分からない」ことよりも「分かったふり」をするほうが、学習をする上で大変なことになって行くので、できるだけその場で問題を解決するようにしましょう。
質問する姿勢は「学習へ対するやる気」という評価にもなります。
授業に参加する
海外大学の授業は、「参加する=出席」です。
そのため、授業中に一度も発言しなければ、教室にいたとしても評価されないこともあります。
授業中に発言するコツがいくつかあります。
- 授業の予習をしっかりしておく:ディスカッションのテーマは事前に知らされている場合があるので、できるだけ予習して置くと自分の意見が言いやすくなる
- 手を挙げる:ディスカッションで発言したいときに「手をあげる」ことで、自分の意見を話すタイミングを作ることがでる
- 自分から質問を投げかけてみる:話し合いからずれてしまっても構わないので、自分からテーマに沿った質問を投げかけてみましょう。
課題レポートのチェック
基本的なレポートの書き方のルールを抑えることはできても、母国語でない日本人が完璧な課題レポートを仕上げるのはとても難しいことです。
そのため、仕上げた課題レポートは、一度英語が母国語の人にチェックをしてもらいましょう。
大変な時は相談する
本当に勉強が大変な時は、必ず誰かに相談しましょう。
チューター、学生サポートセンターなど、大学には留学生を助けるシステムがあります。
また、教員とできるだけコミュニケーションを取ることで、単位を落とさないようなアドバイスをもらえることもあります。
大変な時は一人で抱え込まず、必ず大学の誰かに相談しましょう。
まとめ
ここでは、卒業・学位取得のための知識として
- 海外大学の単位
- 国別のシステム
- 海外大学で単位を落とさない方法
についてご紹介しました。
「海外の大学は、入学はできても卒業するのが難しい」という言葉をよく耳にします。
英語が母国語ではない日本人が、単独で海外に行き、慣れない生活習慣と慣れない学習環境で大学に行くのですから、大変なのは当たり前です!
だからこそ、日本にいる間にしっかり情報を集め、準備することで「難しい」に備えることができるのです。
留学は情報収集からはじめ、出願手続きやビザの申請など、やらなければならないことがたくさんあります。
特に初めての方や、留学で失敗したくないという方は、一度留学エージェントに相談してみましょう。
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参考サイト
- 海外大学の単位システム:www.bachelorsportal.com